身近な川辺の環境調査

野川には豊かな水が流れていた

 小金井・生活クラブ運動グループ地域協議会(小金井・生活者ネットワーク他4団体による)による野川の川辺環境調査は、今年で3回目。第1回目の調査は06年。干上がった川底をさらし、水生生物も死に絶えたと思われた野川の枯渇から2年目。川辺の生き物たちの復活は目ざましいものがあります。3年連続して豊かな水流とトカゲやトンボ、ザリガニやカモの親子などを観察することができました。

 今年7月27日(日)気温30度、大人9名、子ども5名が参加。野川に注ぐ源流の一つ貫井神社の湧き水を出発点に下流域の4ヶ所で水を採取、CODやアンモニア、リン酸などの水質調査を行いました。湧き水が合流する地点では特に低い値が観測されました。

 野川は国分寺崖線の湧き水が水源です。今年は、はけの森美術館裏の緑地内や、貫井神社境内からもこんこんと地下水が湧き出て、例年になく川の流れも速く、水量も豊かです。

 しかし、この水量は決して安定しているわけではありません。雨水が浸透して湧き水となるのには約3ヶ月かかるといわれ、豊かな水量をもたらした原因に異常気象とも言える4〜5月の集中豪雨が考えられるからです。バランスを失い始めた気候変動は、将来夏の干ばつによる野川渇水も招きかねません。地球温暖化とは長く安定した環境のバランスが崩れることだからです。

 毎年同じ場所でガマの穂や、ハグロトンボ、カモに出会うたび、繰り返す自然の営みを実感します。今年も子どもたちの網のなかでザリガニや川えびがもがいています。来年も水流豊かな川岸で同じ生き物にめぐり合うことが出来れば幸いです。(杉本早苗)

※写真①汚染値を表に書き込み、分析する資料として使う。 水質調査ではパックの中の採取した水の色がピンクに変わる。