市民による分別の徹底でプラスチックごみを減らす

現在小金井市のプラスチックごみ(プラごみ)の約9割が容器包装リサイクル協会(容リ協会)に引き取られ、再商品化されています。しかし汚れの付着したものやプラマークの付いていないものは適合品とみなされず、処理料の高い事業者に回されています。市民の手でさらに徹底したプラごみの分別が行われるべきです。
小金井のごみは
最低のDランク

 2006年4月から小金井市は、プラごみの資源化を進めるために、容器包装プラスチックごみのリサイクルを容リ協会に委託しています。容リ協会ではプラマークが付いていて、汚れの付着していないものをリサイクル適合品としています。しかし市ではプラマークの有無による分別を行っていないため、選別は業者任せ。搬送されたごみの山から手作業でプラマークの付いていないものや、汚れたものが取り除かれ、容リ協会に引き渡されています。
 昨年、容リ協会は品質調査で2回も小金井市の容器包装プラごみを最低のDランクと判定しました。近隣自治体の中でも、小金井市は、プラマークの付いていないものや汚れたものの混入率がダントツに高い15%以上を示していたからです。
 市は改善策として、4月から委託先を選別強化の実績のある事業者に変更しランクを上げる計画です。しかし不適合なプラごみが容リ協会から他の事業者に回されるだけで、根本的な解決にはなりません。しかも容リ協会に払う自治体の負担は4%ですが、不適合なプラごみは自治体が全額負担しなければなりません。
「4分別収集」で
ごみの発生抑制を促す

 小金井・生活者ネットは、現在の「プラスチックごみ」を市民がプラマークの有無でさらに分別し、無料で回収するように提案してきました。分別の徹底によって排出量が抑制されるからです。さらに「資源化」の意識が「汚れを取る」行動を誘発します。しかし行政は「これ以上の分別は市民には困難」また「保管するストックヤードがない」と答弁しています。しかし無料回収なら進んで分別するという市民も大勢いるはず。モデル地区を設けるなど意思ある市民から広げていくべきです。
 小金井・生活者ネットは、市民による分別の徹底でごみゼロのまちを目指していきます。

プラスティックごみの
選別工場を視察
 
 3月、ごみゼロ化推進会議の啓発部会主催による選別作業所「市川環境エンジニアリング」の視察見学会に参加した。
工場には当日搬送されたばかりの小金井市のプラごみがうず高く積み上げられていた。異物の混入が多いうえに2度の圧縮で袋が破れ、汚れが拡散している。見学者から「一緒にされて汚れが付着するのなら、洗って出す意味がなくなる」との声も聞こえる。
 小金井市はもともと異物混入が多いため工場の手作業による選別には限界がある。Aランクの自治体では市民の手でプラマークつきが分別されているのだ。
 梱包された容器包装プラごみを他市と比べて見ると、小金井が最低のDランクであることがよくわかった。(杉本早苗)