街路樹で木蔭のある道路をつくろう

レポート「こがねい」NO87から

加速する地球温暖化で、再び猛暑の夏がやってきます。道路は照り返すコンクリート熱で快適に歩くことはできません。将来を見越して豊かな緑陰のあるまちづくりが必要です。

 現在、国の電線地中化事業の助成を受け、東京都は市と協力して、連雀通り(3・4・3号線)の道路整備を進めています。すでに小金井街道との交差点より西側では、電線は撤去され、ハナミズキが植えられています。ハナミズキは、落ち葉が少なく、剪定にコストがかからないため、近年都道の街路樹によく使われています。
 昨年猛暑の続く8月下旬、交差点周辺の樹下の気温を調査しました。ハナミズキの下で38度を超えた温度計の針は信号わきのマテバシイの下では35度まで下がりました。マテバシイは葉肉も厚く葉量も多いため、蒸散作用によって樹下を冷やす効果が大きいのです。しかし今年、道路整備のためマテバシイは伐採され、真夏日の信号待ちはより厳しいものとなるでしょう。
 行政は樹種選定委員会を開き検討中ですが、担当職員だけでなく、市民を交えた協議の場を設置すべきです。街路樹にはヒートアイランド防止のほか、大気の浄化や防災の機能もあることをみんなが知れば、樹種の選択肢は広がります。さらに落ち葉の清掃管理を沿道住民に限らず、環境市民団体など市民有志が担うことも可能です。江戸川区では緑の里親制度で公共緑地の清掃管理を行うボランティア活動が活発です。
 樹木の成長には年月がかかります。50年後の地球環境を見通して今から準備を始めないと間にあいません。(杉本早苗)

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