市議からのメッセージ【こがねっとレポートno.111より】・・・田頭ゆう子
屋久島は自然エネルギー100%のまち
~2つの視察報告~
災害時のためだけでなくまちづくりの視点でも、エネルギーを自給する取り組みが始まっている。
淡路市は2050年までにエネルギーも食も自立!
昨年秋、市議会建設環境委員会では「あわじ環境未来島構想」の先導モデルである太陽光発電施設を視察した。市内3か所の公共施設では太陽光パネルを設置し、約半年分の電力を賄っている。46億円の建設費は国の寄金を活用。維持費も含め、年間2千万円の財政効果があるそうだ。
淡路市はエネルギーの自給率が現行7%だが、2050年までに100%を目指している。さらに農業自給率も100%以上にし、島の人口減を食い止める方針だ。農と暮らしが自立する政策の中に、エネルギー政策を置いているのは画期的だ。
発送電分離の島、屋久島
暮れには会派視察で、戦前から自然エネルギー100%で暮らす屋久島を訪れた。豊かな水資源により大正時代から集落ごとの組合で、水力発電が行われていた。現在では屋久島電工(株)が3つの水力発電所を所有し、九州電力など3組合1社に売電している。
渇水時以外、島の生活は100%水力発電によるものだ。屋久島は日本一雨が多い。江戸時代から豊富な河川水がカツオ節作りの血抜きに重宝され、その利益で大正13年に嶽野川発電所が設置された。視察当日も、88年経た「フランシス型水力発電機」は稼働。保守の観点でも優れものだ。
太陽光や水力など、地域資源を活用したエネルギーの地産地消を、即刻導入すべきだと改めて実感した。