小金井の地下水が危ない

焼却場建設は野川に影響を及ぼす

小金井の地下水が危ない
 小金井・生活者ネットワークは、「地下水保全条例」を議員提案し、2004年に条例制定を実現しました。無秩序な開発による地下水の影響が懸念される今こそ、条例がまちづくりに生かされるときです。ごみ焼却場の建設や再開発を取りまく状況から検証します

深刻な井戸枯れ 
 私は、環境市民会議の「地下水測定部会」が毎月行っている井戸の水位調査に参加しています。近年晩秋から冬にかけて雨が少なくなると、春先まで井戸の底が涸れることも珍しくなくなりました。
 2月、5人の専門家委員による市の「地下水保全会議」が開かれ、ジャノメ跡地に焼却場を建てた場合、野川に影響があるという見解が示されました。
 焼却場には地下10〜15mの深さのごみを貯蔵するピットが必要です。このコンクリートの大きな壁が地下水の流れを堰き止める恐れがあるからです。さらに、国分寺崖線と中央線の間は地下水の涵養域(草地、林地など、雨水が浸透して地下水となる場所)が狭く、特にこの区域の焼却場建設は影響が大きいというわけです。
 
再開発の地下水への影響
 しかし、武蔵小金井駅の南口再開発区域は同じ国分寺崖線から中央線の間にありながら、すでに地下12メートルの構造物が造られようとしています。さらに南に再開発を拡げ、連雀通り沿いに18階の建物を2つもつくる案が浮上しています。この崖線上の区域に、野川に影響を与えるような高層建築物は建てるべきではありません。
 昨年、国分寺市で「国分寺崖線フォーラム」が開催されました。国分寺市は「まちづくり条例」に国分寺崖線の項目を設け、崖線上の建築物の規制を明記しています。今年の同フォーラムの開催市は小金井市です。都内で初めて「地下水保全条例」を制定したまちとして、崖線の「地下水保全」を広域の自治体に呼びかけるぐらいの気負いが欲しいものです。

地下水を守るまちづくりを
 市は保全会議の出した見解をどのように受け止め、開発などまちづくりに生かしていくのか、議会での質問は続きそうです。これからも小金井・生活者ネットワークは地下水保全条例を生かしたまちづくりを議会で要望していきます。(小山美香)