(写真は市内小学校校庭脇に設置された携帯基地局。電磁波の影響が心配される。)
●電磁波は距離が近いと二乗に増加する
6月、小金井・生活者ネットでは20品目の電化製品の電磁波を、測定器を使って8世帯で調査し、「電磁波から身を守るために」の学習会を開き、データを報告しました。
調査の結果①すべての電化製品は近づくほど電磁波の値が高くなること、>②プラグを差し込んだままだとスイッチがオフでもコンセントから電磁波が多量に出ている、③同じ製品でも強い電磁波が出る箇所があることなどが分かりました。家電製品であれば概ね1m〜2mの距離でほとんど問題のない数値になるので離れることが第一だそうです。
驚いたことに、オール電化の主力商品といわれる、「IH調理器」が100〜380ミリガウスを計測。学習会の講師としてお招きした電磁波問題全国ネットワーク代表の懸樋哲夫さんは、「IH調理器からの距離が10㎝の近さだと、日本の甘いガイドラインさえ超える値になる。また体に直接触れる電気カーペットや電気毛布、IT調理器は防ぎようがないので使うべきではない」と警告しています。
●まちの電磁波を測定
小金井・生活者ネットでは、04年に続いてまちの電磁波調査を今年6月に実施しました。連雀通りでは、電線直下の電磁波は胸の高さで常に2〜4ミリガウス。電線地中化区域で0.4ミリガウスに下がった計器の値は、市役所前の路面に直接置くと40〜50ミリガウスに跳ね上がります。地中の電磁波が地上にまで及んでいることが数値で確認出来ました。
●国の法整備による規制が必要
電磁波対策の進んだ国では、高圧線、配電線、変圧器、携帯電話の中継基地などの設備の近くには保育園や学校などの施設をつくらないようにしています。また、携帯電話の電磁波については、04年欧州7カ国の研究グループが、遺伝子に損傷が生じることを発表しました。すでにイギリスでは8歳未満の子どもに携帯電話を与えないように警告を発しています。
しかし日本では国の対策が遅れ、野放しの状態。現在経済産業省は日本で初の基準値の策定を進めていますが、諸外国と比べ250〜330倍も緩い1000ミリガウスとなりそうです。企業や産業界に甘い体質を改め、将来多くの犠牲者を出さないために「予防原則」(科学的に因果関係が十分証明されなくても規制すべき)を適用した法整備を行うべきです。 今後、小金井・生活者ネットは、子どもたちが長時間利用する施設で電磁波曝露を回避する政策を導入するように求めていきます。
(写真はすでに電線地中化工事の終った連雀通り。市役所前の歩道で50ミリガウスの値が観測された)