誰をも排除しない、つながり支えあう地域共生社会へ

生活者通信 2021年2月号 No.353に、安田けいこの記事が掲載されました。

住まいは人権! 生活保護受給は権利
誰をも排除しない、つながり支えあう地域共生社会へ

長年市内で暮らし働いていても、病気や思いがけない事情が重なり、住まいを追われるほどの生活困窮に陥ることもあります。家賃を払えなくなり住まいを追われ、路上生活を続けて約半年という方と一昨年の暮れに出会い、私たち小金井市民が協力して、その方を公的な支援につなぐことができました。この経験から「すべての人の人権が守られるまち」への希求と責務を共有、2021年小金井・生活者ネットの活動が開始しました。

公園で夜を過ごしている人が気になって声をかけたのですが、公的な支援につなげるまでが長い道のりでした。人それぞれに事情があり一筋縄ではいきません。何があったのか、生活者ネットの田頭ゆう子議員が調べたところ、市役所からの居所確認の置き手紙に本人が気づかず連絡しなかったため、市はそこに住んでいないとみなし、生活保護の申請が却下されていたことがわかりました。

小金井・生活者ネットは、田頭ゆう子の一般質問で路上生活者支援について取り上げ、居所確認は一度の訪問だけでなく直接、当事者本人と確認がとれるまで追いかけるよう要望しました。

誰もひとりぼっちにしないまちへ

府中市の市民団体「府中緊急派遣村」は、住まいのない人も権利として生活保護を申請、アパートに入居できるよう支援しています。府中市の市民団体と私たち小金井市民が連携し、この方を府中市での生活保護受給とアパート入居までつなぎました。

住まいを失った人が生活保護申請の際に、一人で住まいを見つけようとしても、保証人の問題など大きな壁が立ちはだかっているのが実情です。コロナ禍以降、住まいを追われる人が増えている今だからこそ、国は自治体がマンパワーの増強を図るための予算を配分すべきです。

誰にも訪れる老いや予期しない病気や障がいによって、コロナ禍によって、先の見通しに不安を持つ生活者・市民も増えています。弱い立場の人に寄り添い、生活困窮に追いやられた人を「自己責任」と切り捨てることのない、セーフティネットが働く社会に転換していくことが、今こそ必要です。

*生活者通信は、東京・生活者ネットワークが毎月1日に発行しており、年間1,000円の購読料で皆さまにお届けしています。
*お問い合わせは、小金井・生活者ネットまで。