事故当初から、国と東電は、事故の原因は、想定外の津浪が電源喪失のであると言い続けていますが、本当にそうだったのでしょうか。事故当初のデータもほとんど黒塗りで国会に提出され、東電の隠蔽体質は相変らずです。
ようやく7ヶ月も過ぎた10月13日、東電が2006年の耐震指針に沿って、福島第一原発の格納容器制御棒や配管の強度解析や補強工事を行っていなかったことを、経済産業省は明らかにしました。すでにサイエンスライターの田中三彦さんや福島原発の格納容器設計者、後藤政志さんは、3月11日の原発事故の原因は福島原発に使われているマークⅠ型格納容器に欠陥があったことを指摘しています。田中さんは、1号機が地震発生から25時間後の短時間で水素爆発にいたったのは、本来なら、格納容器に漏れ出した水蒸気は水になる圧力抑制機能によって爆発が食い止められるのですが、地震による揺れで破損した疑いがあると推定しています。最も懸念されるのは、このタイプの格納容器が、東海地震区域に立地する浜岡原発をはじめ全国10基に現在でも使用されていること。田中さんは「地震動による機器の損傷が事故の原因であることが濃厚な今、全国の原発54基は即時中止すべき」と訴えています。
これ以上の放射能汚染を起こさないためにも、国や地方自治体が再生自然エネルギーへの転換と脱原発の道筋を一日も早く示してほしいと願っています。