貫井北町にある子ども家庭支援センターは、親子広場や子育て相談のほか、虐待防止支援の事業も行っています。虐待の恐れがあった場合は、住民には通告義務があり、ネグレクト(育児放棄)も含め、センターに連絡することになっています。センターは、学校をはじめ保育園、小金井医師会、児童相談所など約20の機関と連携協力し、困難な問題を抱えた児童や保護者を支援するケースワーカーの役割を果たしています。
センター長の話しでは、最近育児疲れによる虐待件数が多く、子どもが家に帰りたがらないケースもあるようです。虐待を受けたほとんどの子どもは「転んだ」とか「テーブルの角にぶつけた」と言うそうです。学校の教師には、不自然な場合は注意を促し、全身の写真を撮るテクニックも伝えているとか。またネグレクトの子どもがいじめに会わないように、汚れた衣服を保育園で洗濯をしてもらうなど、きめ細かな対応が取られています。
2009年から、乳児を持つ家庭の全戸の戸別訪問に虐待リスクの視点も入れていますが、達成率は6割とのこと。地域との接触を絶ち、育児ストレスやノイローゼを抱えている保護者は少なくありません。虐待を防ぐには、まずは気軽に話せる居場所や相談できる人を身近な地域にたくさんつくることが必要ではないでしょうか。(杉本早苗)