●炭素化装置は埋め立てごみも資源にできる
今回、田頭議員が訪れたのは、沖縄県うるま市にある民間の「炭素化処理施設」。ここでは可燃ごみをはじめ、最終処分場に送っていた埋め立てごみも資源化できます。このシステムでは、窒素をタンクに集め500度の低温で熱処理を行い、オイルと水と炭素化物質に分解します。炭素化物質(見かけは炭)は土壌改良剤などに、プラスチックごみから取れたオイルや水は、装置を動かすための動力や冷却用に再利用できます。またダイオキシンやCO2の発生は殆ど無く、地球温暖化対策としても有効です。
2009年12月から、小金井市の可燃ごみと同量の日量100トンのごみが、二枚橋焼却場の3分の1以下の面積の約2500㎡の処理場で資源化される予定。市はごみ処理場に必要な面積を約8000㎡としていますが、処理方法によっては広大な面積は不要です。すでに福岡県田川市は炭素化の方針が発表され、立川市でも検討が始まっています。
●微生物の力で生ごみを分解する
小金井市の生ごみ減量化は重要な課題です。田頭議員は、微生物による分解で、生ごみの90%を消滅する埼玉県久喜宮代衛生組合の施設を視察しました。木屑チップに枯れ草菌などの微生物を混ぜると、生ごみが発酵し、水分と気体(炭酸ガス、窒素ガス)に分解されます。微生物の働きで、24時間で90%が減容され、残りを堆肥や土壌改良剤として利用します。屋根と囲いのある大きめの倉庫の床に、菌床と生ごみを混ぜ、24時間寝かせて置くシンプルな装置です。4月からモデル地域1万世帯中、約5千世帯から生ごみを収集し、日量4トンが処理されています。今後、微生物の分解を促進し、良質な堆肥をつくるためには、何よりも市民による分別の徹底が必要なのです。
視察後、田頭議員は「燃やさずに資源とすることが、ここまで可能になっていたとは。小金井市の市長、職員にもこれらの施設を見て欲しい」と、心から思ったそうです。
10月、二枚橋衛生組合議会で、焼却場跡地を調布市、府中市、小金井市で3分割することが承認されました。現在小金井市のごみ処理基本計画の見直しが始まっています。焼却処理を前提に作成された計画を見直し、非焼却を方針とする計画に変更するべきです。そのためにも小金井・生活者ネットワークは、燃やさない処理方法を早急に調査し、共同処理をする国分寺市と協議に入るように要望していきます。
*レポート「こがねい」№95より