●小規模作業所に都の支援を
協議会では小規模作業所を運営する市民団体から困難な現状と支援を求める声があがりました。小規模作業所は、全国の多くの地域で、障害児の親などを中心に設立されてきました。学校卒業後の障害児の多くは、その働き先として作業所で就労しています。
●地域に根ざした活動
市内の小規模作業所のひとつ「小金井第三さくら作業所」では知的障害者の就労の場として、クッキーやショッピングバッグを作っています。クッキーの味は定評があり、求めに立ち寄る客も多く、リサイクルショップは市民との交流の場にもなっています。地域の中でしっかり根をはり、障害者の社会参加と暮らしを支えてきた小規模作業所の存在は、障害者の自立支援を進めるうえで重要な役割を担っています。
●「法外施設」では運営は厳しい
しかし、小規模作業所は、法律で規定されない「法外施設」のため、行政からの補助金も極めて限られていて、運営はとても厳しい状況です。今年1月1日現在で、都内599ヶ所の小規模作業所のうち、42ヶ所しか「法定施設」(法律で定められた法人格を持つ施設)に移行できていないことが報告されています。利用者の定員、施設設備、職員配置などの条件をクリアしなければ法人格を取得することができず、ハードルが高いのが現状です。今回の協議会で、現在は対象外でも、小規模作業所を都独自の補助事業とすることが求められました。
●企業との連携を
障害者の就労については、企業と連携することが必要です。企業に出向いて働く場の提供を求めるための周知や、その人に合った仕事、できる職種を探すマッチング支援などが求められています。
小金井市では、昨年10月から準備を始め、12月に「障害者就労支援センター エンジョイワーク・こころ」を開設しました。 働くための相談や準備はもちろん、就労後も職場に定着するための支援や雇用先の開拓もしていくことになっています。やっと立ち上がった機能が、地域のなかでどこまで根付いていくのか、期待されるところです。(小山美香)