今後、地方分権が進み、交付金の使い道を自治体独自で決めることができるようになります。限られた予算の中で、市民ニーズに沿った事業執行の優先順位をつけるには、予算の編成と決定に市民の参加が必要です。我孫子市では、予算の編成過程を公開し、市民の声を取り入れる仕組みを作っています。また、小平市では市民公募による事業仕分けを行い、直営か外部委託かといった行政運営に踏み込んだ議論が行われています。
今回の行革委員会で、田頭祐子議員は、内部で行っている行政評価を、第三者機関による外部評価に切り替えること、また、事業仕分けを市民が参加して行うことを提案しました。
●学童保育、実態も把握せず民間委託化へ
第3次行革大綱案には、来年度から2ヵ所の児童館と学童保育、公立保育園、ピノキオ幼児園の民間委託が計画されています。しかし、近年働く親が増え、小金井の学童保育は満杯状態です。放課後の子どもたちは、狭い空間の中で過ごし、最近はケガが増えてきたと報告されています。すでに東児童館では民間委託が始まっていますが、実態を検証するため、保護者や職員の声に耳を傾けるべきです。事業の点検もせずに、満杯状態解消の見通しも立たないまま、民間委託化が進められようとしています。
●図書館、来年度の民間委託が回避された
また、小金井市は、図書館の時間延長サービスを実施するために、窓口業務などを民間委託化に切り替えようとしていました。しかし非常勤職員体制の方が4千万円も安くなることが田頭議員の質問がきっかけで明らかになり、12月議会で22年度の民間委託化は回避されました。図書館業務はレファレンスなど専門的な知識や経験を積み重ねてきた人材登用が大切であり、安易な委託化はかえってサービスの質の低下を招く事にもなります。小金井市には、情報と文化の拠点としてどのような図書館が必要なのか、議論の場が必要です。