事務所引っ越し成功のカギは?

2013年6月15日 14時49分 | カテゴリー: トピックス

それはtadaimaとサラメシでした
~少し長めの引っ越し隊長報告記~

 初めはちゅうちょしていた引っ越し隊長をなぜ引き受けたか。それはtadaimaというNPO法人の代表の三木智有さんとの出会いがあったからでした。

 中町の旧事務所は、2間半の押し入れがあり、いろいろなものをとりあえずつっこんでおける「お風呂場」もあり、収納スペースたっぷりの場所でした。そこから収納スペースの全くない縦長のワンルームへの引っ越し。一番不安だったのは「1カ月でどうやって荷物を減らして、新事務所に使いやすく収納するか?」

 一方で、希望もふくらみました。

 「車通りの激しい連雀通りに面していて、ちいさなお子さん連れの人たちが来にくかった場所から、アクセスのいい新事務所に移り、いろんな人が気軽に集まれる空間を作れたらどんなにいいだろう!」と。

  運営委員会で引っ越しが決まった夜。たまたまあるイベントでtadaimaの代表三木さんと出会い、お話を聞きました。

 tadaimaのビジョンは「家事や子育てを楽しむ夫婦になり、10年後、20年後も『ただいま!』と帰りたくなるような家庭を実現する」。なぜ、男性の三木さんがこのようなNPO法人をたちあげようと思ったかをうかがうと、理由が三つありました。

  一つは、もともとインテリア・コーディネーターをしていて、多くの家庭に入ってコーディネイトやリフォームを手掛けてきたけれども、話し合いの場に夫、父親の姿が見えないことが気になったそうです。

 二つ目は、そういう問題意識もあり、家事能力があるにも関わらず、いざ結婚したら家事をおつれあいに任せてしまい、「共働きだから、あなたが家事をしないとうちが回らないよ」と言われてしまったこと。

 さらに、これまで「住む人にとって心地よい家を創りたい」と仕事をする中で、インテリアという「物」へのアプローチばかりを考えていたけれども、そこに住んでいる「人」がその物を使いこなせなければ、快適な空間が維持できないと気付いたこと。

 その三つがあいまって生まれたtadaima が手掛けるのは、片付けの指導や、パパ家事プロジェクト、出産を機に「夫、家族、友人」などの力を借りて家事ができる環境を作る片付けや部屋のコーディネイトをするプロジェクトなど。詳しくはぜひHPをご覧ください。こちらから
 
・tadaima!のホームページ  http://npotadaima.com/index.html

 HPを見て、家庭が主な対象で、事務所の片付けは手掛けていないのかな?と思ったら、三木さんのブログに

フローレンス(病児保育をするNPO法人)が移転してすぐに片付いた快適なオフィスになった秘訣~お片づけレクチャーとは!?

という話を発見。

・フローレンスの引越しレクチャー
    ただいま:http://tadaima13.blog108.fc2.com/blog-category-10.html
    フローレンス:http://florence.seesaa.net/article/161709985.html

 これだ!と思い、当時の小金井・生活者ネットワーク 代表の小山美香さんに相談して、三木さんに事務所の引っ越しレクチャーと新事務所のコーディネイトをお願いした次第です。

 結果は新事務所を見ていただければ一目瞭然。「10分の1に減ったんじゃない!」と驚嘆する人がでるほど、徹底した減量作戦に成功し、引っ越し業者が来る4月25日の1日前には荷づくりが終了。

 5月の大型連休のため収納家具の到着が遅れましたが、荷を入れた段ボール箱は、家具を待っている間もさほど支障がない程度で済みました。

 

引っ越し後初の運営委員会の様子

 

  振り返ってみて、ああこれが成功のカギだったなと身にしみたポイントをあげたいと思います。

成功のカギ①
捨てる最終判断をする人を決める

 1回目の打ち合わせの時、「作業をする人が迷った時に、捨てる最終判断をする人を決めてください」と三木さんに言われました。
 いざ片づけを始めると、一見不要と思われる物が山のように出てきましたが、これまでは最終決断をする人がいなかった(決めていなかった)ので、誰かが「これいらないんじゃない?」と思ってもそのまま残っていたわけです。それらを、今回は決断を下す人がいたので、ばっさばっさと減量できました。

 この最終判断をする人がいないという状況は、「先送り」の温床になるということ、これが今回身を持って学んだ教訓です。

成功のカギ②
片付けの順番にはちゃんとワケがある!
気になる書類の山から始めちゃダメ、物置と化したお風呂場は最後

 初回の打ち合わせの後、全体スケジュールとお片づけマップなるものが送られてきました。全体スケジュールを見ると片付けていく順番と日付が書かれています。
1.      ダイニング
2.      書斎1
3.      書斎2
4.      お風呂場

 お片づけマップを見ると、3日間かけて片付けるダイニングのゾーン分けがしてあります。初日はキッチンと食器棚。

 注意事項として

 整理(物を減らす作業)を行います!
STEP1>整理する場所を一旦すべて空っぽにします。
STEP2>いらない物を捨てます。
STEP3>必要な物を元に戻します。

※現段階ではグループ分け、優先順位などは考えなくて大丈夫です。「整理のやり方」を体で覚えていきます。

 半日かけて予定通り終了。20人分の食器を残し、要らない物は全て捨てるとなんと、吊り戸棚、シンク下もすべて空っぽに。必要な物は持っていく食器棚にすべておさまりました。2日目と3日目は玄関入ってすぐの棚の整理。棚といっても長机に板を渡して棚にしたもので、文房具と雑貨がほとんど。これも予定通り完了。

 あたりを見回すとまだ書類や本の山や何が奥にあるのかわからないお風呂場がありますが、スケジュール通りにすすんでいることで安心感と満足感が、片付いた所を見るとすっきり感が味わえます。

 なぜこの順番なのかを三木さんに尋ねると、「書類から始めると判断がむずかしくてなかなか進まずいやになってしまう。まずは判断しやすいキッチンから。それと、入ってすぐの棚が片付くと、見た目がすっきりするので達成感が得られる。」

 それでも、途中、最後に残してあるお風呂場の荷物の山を見ると不安になり、お風呂場にあてている2日間でできるだろうかと三木さんに尋ねると「大丈夫です。もう片付けのリズムができていますから、あそこは手をつけたら結構あっという間に片付きますよ」と太鼓判を押されました。

 そして、大きな家具の移動のため4人ほど集まった時に、とりかかったらおよそ2時間で物を全て出し、要らない物と要る物、最終判断を仰ぐ物の仕分けができました。本当に三木さんのおっしゃっていた通りでした。

 ここまでの2点はtadaimのおかげで得られた成功のカギですが、これから述べる2点は、NHKのテレビ番組『サラメシ』を見て気付いた成功のカギです。

 「サラメシ」はご存じの方も多いかと思いますが、サラリーマンに限らず、いろんな職業の人の昼食をとおして、仕事のこだわりやランチにまつわるエピソードを中井貴一の軽快で巧みなナレーションで紹介する番組です。

 三木さんに出会ってすぐの頃に見た「サラメシ」の中で、中間管理職の女性がランチを食べながら、仕事のストレスについてNHKのスタッフの方に次のように話していました。

 「仕事のストレスは大きく分けて二つ。一つは、仕事の内容が難しすぎる場合。それは詳しい人に聞けばいい。二つ目は、仕事をする人が少なすぎる場合。これは、人の配置を換えればいい」。

なるほど、と思いました。

 今回の引っ越しの最大の難関である片付けと家具のコーディネイト、これを詳しい専門家にアドバイスをしてもらえることになったから、やっかいな仕事から楽しいプロジェクトに変換されて、ストレスが少なくなったわけです。

 そして二つ目のストレスのケースの対策として、ある程度人数が集まらないとはかどらない作業の時には、事前にメールや電話で会員の方々に呼び掛け、みなさんのおかげで見事クリアできました。手伝ってくださる人が多いと、単なる足し算ではない、掛け算の効果が生まれる気がしました。

 怒涛の4月を振りかえり、今でもしみじみ不思議に、そしてありがたく思うのは、引っ越し隊長の役を打診された夜に、tadaimaの三木さんに出会えたこと。この出会いの場を作ってくださったのが、日本伝統の仕事着‘前掛け’を創るエニシング(Anything)の西村和弘さんです。

 ご縁(エニシ)が次々とつながっていく(ing)仕事をしていきたいという意味をこめて社名にするほど、人の縁を大事にする方のトークイベントで三木さんといろいろお話する機会を得ることができました。西村さんがくださったご縁に本当に感謝しています。

 すっきり片付いた新事務所。奥の事務局スペースと手前の交流スペースにきれいに分けられました。交流スペースは、いろんな人がふらりと寄れる場所になるようにと「ふらりねっと」と名付けられました。縁に恵まれてうまれたこのスペースが、新たな縁をはぐくむ場所になることを心から祈っています。

2013年5月吉日 引っ越しを終えて
引っ越し隊長 佐藤桂子

 

■NPO法人tadaima!の三木さんから、メッセージをいただきました。
ご紹介します。

はじめまして。NPO法人tadaima!の三木といいます。

tadaima! の三木さん

今回は、偶然が重なり、このようないい出会いを頂けたことをとても嬉しく思っています。

住んでいる環境、人を呼びたい環境、それはオフィスでも住空間でも、大切なのはそこに住んでいる人達がいかに気持ちよく暮らせているかということだと思っています。
心地良い暮らしを実現するためには色々なタイミングがあり、お引越しはその中でも環境を見直すとてもよいタイミング。

 今回一緒にお片づけをレクチャーさせてもらって、何よりも驚いたのは皆さんの勢いです。
やはり必要と思って保管している物や、捨てられない物を捨てると言うのは大変なエネルギーを使います。
一度、勢いがついてしまえばそのエネルギーはドンドン前進していくのですが、そこまでが大変。

 今回は勢いがつくまでのスピードがとても早かったです。報告を聞く度に、打合せに行く度に、物が少なくなっていく。
今まで何年もそこに留まっていた感情が、溢れ出るような勢いでした。

 物が減るにつれて、視界が開けてくるように見えてくる新居でのイメージ。理想は膨らみ、期待に満ちて、
しかもそれを実現させられる自信を持っている。

 最終的には、僕が最初に思っていたよりも遥かに物が減って、たくさんのコダワリを実現することができました。

 元々の場所よりも少し小さな空間へのお引越し。なのに、ずっと広く快適な空間になりました。
物が入ることで、空っぽの状態よりも広く感じられる。それが、物と空間のバランスが上手く取れている証拠だと思います。

 これからも、素敵な空間でそこに訪れる人達を笑顔にしていって下さい!(三木)

交流スペース「ふらりねっと」。新しい特注幅のテーブルも入りました。

「ふらりねっと」の入り口。お気軽にお立ち寄りください!