放射能測定器を購入

「安心して外遊びをさせたい」

福島原発事故から1年が経過。今年3月4日、「現在でも原子炉建屋から計毎時1千万ベクレルの放射性物質の放出が考えられる」という新聞記事が目に止まりました。今も低線量被曝が続いています。このリスクを少しでも回避するため、小金井市でも、自分たちで放射線量を測る活動が始まっています。

都内に降り積もった放射性物質は土壌などに蓄積し、放射線を出し続けています。昨年、小金井・生活クラブ運動グループ地域協議会(小金井・生活者ネット他5団体所属)は、自分たちで空間放射線量を測るため、都が市に貸与している機種と同じもの(DoseRAE2)を購入しました。この機器はセシウムとヨウ素のγ線による外部被曝量を計測します。

●放射線量を地図に落とす
小金井市では、すでに同機種で小中学校、保育園、幼稚園の空間放射線量を測定しています。市の安全基準は毎時0.25マイクロシーベルト。南小学校の給食ごみ置き場や雨樋の下などで、基準を上回る数値が検出され、除染作業が行われました。
昨年12月、小金井地域協議会では、この機器の使い方の説明会を開きました。説明会に参加した市民有志によって、「みんなでつくる、小金井放射能マップの会」(以下「マップの会」)が発足。「マップの会」では、測定希望者に測定器を1週間レンタルし、報告された数値をグーグルマップに落としています。

●家の中も外もほとんど同じ値

計測が始まってすでに10人以上が33箇所以上を計測しています。自宅、通学路、公園など子どもが普段長く滞在する場所では、ほとんどが毎時0.08から0.1マイクロシーベルト以内に止まっています。しかし、雨樋の直下で0.362マイクロシーベルトが計測されました。
「マップの会」のメンバーである下津さんは、「子どもの成長には外遊びは欠かせない。家の中と外が同じ値ならば外で遊ばせたい」と語っています。現在、雨樋直下を除いては、落ち葉や雨水がたまりやすい場所、枯れ木による焚き火の上なども、屋内の測定値とあまり違わないこともわかってきました。危険な場所を回避すれば、外遊びが充分可能です。「マップの会」では、定期的に計測し、知見を蓄積することで、安心して外遊びができるようにサポートしていきたいと考えています。今後、雨の日や風が強い日など、天候による違いなどを計測する計画です。
また、都立公園は市民の利用率が最も高いところです。小金井・生活者ネットは、東京都に、積極的に測定を行うよう働きかけていきます。
(杉本早苗)