緊急時の放射能拡散予測システム

情報公開が重要

「SPEEDI」(スピーディ)は国が約100億円以上も投入してつくった緊急時の放射能拡散予測システムです。水素爆発から10日以上も経過した3月23日、何千枚ものデータから3月12日から24日の甲状腺の内部被曝量や放射性物質の拡散範囲が公表されました。その後データ全てを公開したのが5月3日。すでに早い時期から、警戒避難区域の圏外となっていた飯舘村が、風向きや地形の影響で、多量の放射性物質に汚染されていたことが明らかになっています。
 多量に拡散した3月12日から16日頃、飯舘村の子供たちは普段通りに外で遊び、幼稚園や学校に通っていたのです。情報の公開が遅れたために、外出を避ける、マスクをつけるなど被曝から身を守る機会を奪った政府の責任は重大です。特に、乳幼児や子どもは、放射性物質の感受性が大人より3倍も強く、長い人生を生きることを考えると影響は深刻です。「パニックを恐れた」、「仮定の数値なので公開しなかった」と釈明していますが、「公開」を先送りにした政府機関の危機管理の甘い体制に深刻な問題が潜んでいると思います。6月議会では一刻も早く正確な情報が開示される事が求められていました。