風景をつくるもの

*レポート「こがねい」№95・ 雑記帳より

■生き物観察会で生きものを見つめる小金井っ子たち
■生き物観察会で生きものを見つめる小金井っ子たち
 小金井の環境学習グループ「田んぼの時間」で千葉県芝山成田の「里山の再生と保全」の活動を見学に行ったときの事です。成田空港からそう遠くない場所で生物資源型農法によって再生された田んぼには、絶滅に瀕しているニホンアカガエルが、「踏みつけてしまうのでは?」と思うほど息づいていました。
 かつて空港やゴルフ場建設に翻弄されたこの里山が、今度は首都圏の産業廃棄物の処理地として目をつけられています。こうした動きに、高齢化し後継者に悩む農家の地権者達が市民達と手を結び、歯止めをかけようとしています。実際に今残っている美しい里山と生き物の豊かさを間近にすると、広大な空港のその下に埋め立てられたものの大きさが深く胸に迫ってきます。
 やっとの思いで守られた里山に忍び寄る第二の波と向き合う市民達の小さな抵抗に無関心ではいられません。
  小金井市環境市民会議「田んぼの時間」瀧本広子